昨年秋、全国で好評を博した日本ツアーが記憶に新しいチェコ少女合唱団《イトロ》。
彼女達が、5月9日、母国・チェコで、東北地方太平洋沖地震チャリティーコンサートを開催致しました。イトロを代表して、合唱団の一人、パヴラ・クヴァシンスカが、、昨年訪れた日本への思い、そしてチャリティコンサート開催に至った経緯を語ってくれました。
私たちはまっ赤な衣装に身をつつんだ30人の女声合唱団です。2010年の秋、私はチェコ少女合唱団《イトロ》の一員として、日出ずるこの国を訪れました。
私たちは日本の素晴らしい観衆に囲まれ、大きなコンサートホールの広いステージに立って歌いました。母国・チェコをはじめとする様々な国のクラシック歌曲を歌い、あたたかな喝采につつまれました。しかし、中村雪武による第二次世界大戦中の広島で被爆直後に起きた悲劇を描いた30分のカンタータ「虹よ永遠に」を歌い終えると、うっとりするような喝采は、被害者を想う抑えきれぬ悲しみの中に消えていきました。この曲は、原爆投下という惨禍に対する私たちの深い哀しみを表現しており、その歌詞に私達も涙を堪えることができません。
地球の反対側で生まれたものの、私たちは同じ人間です。客席の皆さんを前にして、同じ感情を共有しています。私たちは遠く離れたこの地で新しい友達を見つけました。音楽を通して、その新しい友達を笑顔にすることは、私たちにとって何よりの喜びでした。
この演奏旅行の間、私たちは、日本のユニークな文化や異なる慣習を学びました。神社やお寺を訪れ、白米や日本食を食べ、とても親切な家庭でホームステイを体験しました。私たちは全てに心を開いて接し、数えきれないほどの忘れがたい経験や友情を得、その思い出を皆で分かち合いました。
9年前に日本を訪れたイトロの団員も、きっと私と同様の体験をしたと思います。彼女たちはツアーの中で、3月11日の地震で壊滅的な影響を受けた都市・福島にも訪れていました。福島県相馬市で歌い、地元の方々は親切に受け入れてくれました。
しかし、その相馬市の人々は今、大きな困難の中にいます。地震による被害を受け、家や財産、そして何より多くの尊い命が奪われてしまいました。
だからこそ、私たちはステージに立ったのです! 2011年5月9日、故郷チェコのフラデツ・クラーロヴェーで、“日本のためにイトロは歌う”と題して今シーズン最後のコンサートを行いました。コンサートの収益は、相馬市に寄付致しました(※)。少なくともこの様な形で思いを表現することができ、私たちはとても嬉しく思っています。そして、この思いが復興を目指す現地の人々に届き、少しでも人々を勇気づけることが出来たらと願っています。
日本は素晴らしい文化や伝統を持ち、親切な人々が暮らす、とても美しい国です。そしてその美しい国は、私たちの心に今も変わらぬ姿で残っています。
パヴラ・クヴァシンスカ
Pavla Kvašinská
※同地でのコンサートを通じて集められた寄付金は合計157,947円にのぼり、これを相馬市に義援金として寄付致しました。

